ダイエットで気をつけないといけないことは口臭

「ダイエット臭」っていう言葉、聞いたことはありませんか?

これは、五味クリニックの五味院長先生がおつけになられた名前なのですが、

文字通り、ダイエットをしているときに体から匂ってしまう臭いのことをいいます。

いい香りならば問題は無いのですが、

残念ながら「くさい」香りなので問題が大有りになってしまいますよね!

もちろん、口臭もでてきてしまいます。

これは、間違ったダイエットが原因になっています。

ダイエットというのは、

食事の摂取カロリーを減らすことだけではなく、

同時に運動で代謝をアップしておかないと成功しないのだそうです。

食事だけを極端に少なくして痩せた場合、

それは体の筋肉や水分が落ちて体重が減っただけのことが多いそうです。

すると「どうしてもこれ以上痩せられない」という壁にぶつかってしまいます。

これは、体が、摂取カロリーの減少によるエネルギー不足に対応してしまい、

基礎代謝を低下させてしまうことが原因です。

体にとっては、一種の自衛作用なのだそうです。

さらに、運動をしていない場合には、

筋肉での熱産生が低下して、代謝の速度が遅くなることも、

基礎代謝の低下に拍車をかけ、肝心の脂肪の燃焼効率が抑えられてしまいます。

過度の食事制限などをしてしまい、体が飢餓状態になり基礎代謝が落ちると、

体がなんとかエネルギーを生み出そうとして不完全燃焼をしている過程で出てくる、

「副産物」ともいえるのが「ダイエット臭」なのです。

このように、「基礎代謝の低下=やせにくい体質」になってしまったことが、

ダイエット臭の原因だったわけです。

 ダイエット臭が出てくる3つの段階

間違ったダイエットを続けていると、

ダイエット臭が次の3つの過程で発生してしまいます。

 第1段階

食事を減らすことによって、炭水化物やタンパク質の摂取不足が生じると、

体がストックしておいた中性脂肪を燃やすことでエネルギーを得ようとし始めます。

中性脂肪をニオイ成分の1つである「脂肪酸」に分解して、

ミトコンドリアのTCA回路という燃焼系に運びます。

ここに、間違いダイエットの落とし穴があります。

急激なダイエットや、運動不足で代謝が低下していると、

このTCA回路の回転が減速してしまうのです。

すると、脂肪酸が完全燃焼されない、ということになってしまいます。

余分の脂肪酸の行き先は、血液の中です。

血中に増加した脂肪酸が、汗や皮脂とともに体外に出ると、

脂っぽい脂質系にニオイになるのです。

ただ、この段階では、あまり臭いもキツくないために、

体臭として気が付かれないことが多いそうです。

口臭としての問題点は、

ダイエットによる空腹状態が唾液の分泌を低下させることでしょう。

唾液の低下と口臭の関係は、これまでのページでお話したとおりです。

 第2段階

さて。第一段階で気が付か無いまま、間違いダイエットを続けていると、

基礎代謝の低下したままの状態が続いていることになります。

すると、熱の生産が少なくなるだけではなく、体の血行が悪くなってしまいます。

血行が悪いということは、抹消組織への酸素の供給が減少することを意味しています。

酸素不足の状態になると、完全燃焼系のTCA回路からではなく、

不完全燃焼系の「解糖系」という方法で体はエネルギーを得ようとします。

この方法だと、副産物に「乳酸」が生じてしまいます。

乳酸は、アンモニアと一緒に汗の中に出る性質があるそうです。

こういう汗は、アンモニア臭が混じっているので、少し嫌な匂いがします。

この段階では、

「なにか汗臭いな」「ちょっと臭うかな?」と感じはじめ、

体臭を気にする人が出てくるようです。

 第3段階

ダイエット臭の最終段階。

この時、「甘酸っぱい」ようなケトン臭という典型的なニオイが発生するそうです。

ケトン体というケトン臭の元は、アセトン・アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸の3つの総称です。

アセトンという名前に見覚えはありませんか?

「口臭のお話2」でご説明した、糖尿病の時に出る「アセトン臭」。

そのアセトンですので、かなり強烈なニオイ物質ということになります。

ケトン体は、肝臓で生成されています。

心筋や骨格筋は、脂肪酸を炭素と水までに分解できるそうですが、

肝臓ではケトン体までしか、分解ができないのです。

では、ケトン体というのは、ただの臭いニオイの元、というだけの存在かというと、

それは大きな間違いということになります。

このケトン体という物質は、飢餓状態になった体の機能を維持する為に必要な物だったのです。

糖(グルコース)しかエネルギー源に出来ない、大切な脳。

ケトン体は、そのグルコースがどうしても手に入らない時に、

代わりのエネルギー源として用いられる物だったのです。

他にも、心筋・骨格筋・腎でもエネルギー源として使われるそうです。

また、絶食時に生産されるケトン体は、

脳の満腹中枢の働きを高め、空腹中枢の働きを抑制しないので、

空腹感が無くなる…のだそうです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする